Wishbone Ash

 たとえば、ディープパープルやレッドツェッペリン、キングクリムゾン、ビートルズ、クリーム、ザフーなどは後世に与えた影響という点では紛れもなく偉大なバンドであり、ロックが細分化されて久しい今もなお、新たなロック初心者達がCDを手に取り聴いている。
 だが、中には後世のロックの発展に計り知れない影響を及ぼしたにもかかわらず、そのバンド自体は一般聴衆から忘れられてしまうというケースもある。今回紹介するウィッシュボーンアッシュもそういうバンドのひとつといえる。

 ウィッシュボーンアッシュは「70年代英国で最も美しいメロディーを奏でるバンド」「メロディー、テクニック、コーラスなどどこにも欠点がないバンド」と評論家などの玄人から呼ばれていた。
 また、ツインリードギターを売りにした初めてのバンドでもある。彼らが厳密な意味で世界初のツインリードを擁したロックバンドなのかは知る由もないが、ツインリードのお手本とされてるのは70年代ロックに詳しい方ならご存知だろう。NWOBHMの大物バンドなどもツインリードの編成を採用するに当たって念頭にウィッシュボーンアッシュの存在があったに違いない。

 楽曲の方向性はオーソドックスなブリティッシュロックスタイルからトラッド風味の大作までと一定はしていないが、根底に流れるウェットでメロディアスな感覚は英国ロック好きにはたまらないと思う。特に大作系の曲には彼らの代表曲と呼ばれているものが多く、ツインリードを駆使したドラマティックな展開が素晴らしい。一般にプログレのジャンルには分類されていない彼らであるけど、凡百のプログレバンドに引けを取らない構成美を見せてくれる。また、アンディ・パウエルとテッド・ターナーのツインリードギターは強烈な泣きのハーモニーも堪能させてくれる。

Wishbone Ash/光なき世界

70年1st

 光なき世界、ほんとに昔の洋楽アルバムに付けられてた邦題ってかっこいいよね。で、 ウィシュボーン・アッシュの1stは素晴らしい邦題に対して名前負けしてない内容をもっ ている。ツインリードギターの美しいハーモニーにコーラスと彼等の魅力が遺憾なく発揮 されている。
 曲調はブルーズやジャズの色が強く、3rdのアーガスに見られるトラッド・ フォークの色は薄い。だが、ギターが泣いているのにはなんら変わりない。
 また、全6曲 とデビュー当初から大作主義であるのも興味深い。特にラストを飾る「PHOENIX」は名曲 との呼び声が高く、曲後半に向かって盛り上がってく展開は素晴らしいです。

Argus/百眼の巨人アーガス

1972発表、3rd

 彼らの代表作といえばこの作品となる。70年代のロックの名盤というと必ず取り上げられる作品でもあり、B!誌の70年代ロック特集記事(前田岳彦氏セレクト)や渋谷陽一の単行本にも載ってたしね。
 収録曲がどれも素晴らしく、全七曲(ボーナストラックは除く)中に捨て曲らしい曲はない。4〜7曲目はいずれもトラッド風の曲でこのアルバムのハイライトといえる。美しくも哀感を伴った旋律が心地よく、緻密に練られた構成やテクニックも非の打ち所がない。もちろん、1〜3曲目も素晴らしい。曲の並びも良いのでアルバム一枚を気持ちよく聴くことが出来る。欧州の鬱蒼とした森を連想させる曲が素晴らしい名盤。

1,Time was
2,Sometime world
3,Blowin' free
4,The king will come
5,Leaf and stream
6,Warrior
7,Throwdown the sword
8,No easy load'(ボーナス)

Live dates

1973年発表の二枚組ライブ

 1973年発表の二枚組ライブ盤です。ライナーの録音会場を見る限り、1973年のイギリスツアーのもよう。1stから3rdの曲を演奏している。録音会場が複数なのでアルバムでのオーダーがライブでのセットリストと同じとは限らないが、The king will come、Warrior、Throedown the swordと進むあたりが非常にかっこよい。そして、ディスク2のシメが1st「光なき世界」収録の名曲Phoenixとは…泣けます。でも1stはまだ持ってなかったり(笑)
 ちなみにディスク1に1972年録音のPhoenixライブテイクも入っていて、こちらも素晴らしい。

 

 

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