Atoll

L'ARAGNEE-MAL/組曲「夢魔」

75年2nd

 今回紹介するアトールは『フランスのイエス』という触れ込みで売られたバンドです。その上で名盤と呼ばれる2ndを聴くと『これがイエスかよ』という感想を持つことでしょう。ただし、1stはイエスっぽいらしいです。

 組曲「夢魔」という邦題からも想像できますが、このアルバムにはB面をまるごと使った組曲が収録されています。サウンドの特徴はスピード感のあるインストパートにあり、大作主義であることからもイエスとの類似点は指摘出来なくもありません。ですが、アトールはイエスよりもフュージョン色の強いサウンドで、雰囲気もポジティブで明るいイエスよりむしろ初期のクリムゾンにも通じる幻想かつ奇怪なものです。

 演奏面ではSE的な使われ方がされているメロトロンやムーグが印象的で、けたたましくアグレッシブなバイオリンもかっこいいです。ちなみにボーカルパートは少なめです。注目の組曲「夢魔」ですが、大きく分けると4パートになっていて、2パート目がダレるものの後半の展開は素晴らしいです。もちろん、アナログで言うと片面全部に相当する20分の曲がどれだけ普通のロックファンに理解できるのかという根源的な問題もありますし、個人的にも気持ち良く聴ける長い曲と言えば12分ぐらいかなとも思います。ただ、組曲「夢魔」の実験性は買うべきで、完成度も高いと思います。と、フォローつつも個人的なお勧めはA面の1、2曲目ということにしておきます。

 ちなみに、ジャケットのイラストがグロ過ぎなのも本作のポイントです(笑)何故か否定的なコメントが目立つレビューになってしまいましたが、基本的には好きな作品です。5年ほど前に買ったので新鮮味が感じられなくなってるせいかもしれません。

2001/12/7

 

 

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