Caravan

 キャラヴァンの前身バンドはワイルド・フラワーズというバンドで、1967年に解散しています。で、そのワイルド・フラワーズから生まれたバンドが二組あって、ひとつはカンタヴェリー派ジャズプログレの最高峰であるソフトマシーンで、もうひとつはここで紹介するキャラヴァンです。カンタヴェリー派のプログレバンドはほとんど聴いていないのでその説明は避け、キャラヴァンの紹介だけを行います。

 オリジナルメンバーはPye Hastings(g、vo)、David Sinclair(key)、Richad Sinclair(b、vo)、Richhard Coughlan(dr)の四人です。デビューは68?69?(見てる資料のどちらかが誤植)の「キャラバン」です(-_-;)
 サウンド的にはポップで明るく、聴いていて心地の良いサウンドをキャラヴァンは提供してくれます。3rdまでが初期キャラヴァンとされていて4作目からはパイ・ヘイスティングを中心にメンバー交代が激しくなる。で、82年の解散時にはヘイスティングの趣味で単なるポップバンドと化してたらしい。90年代になるとヘイスティング主導で再び活動をしたがこれもポップなだけだった…(-_-;)

 キャラヴァンを語る際のキーパーソンは三人います。まず、ポップス路線のパイ・ヘイスティング(g、vo)です。ギタリストとしては地味というか、キャラヴァンではギターがリード楽器じゃないのです(-_-;)ということで作曲面での影響を重視しましょう。二人目はジャズロック路線のリチャード・シンクレア(b、vo)です。ヘイスティングのポップ志向とシンクレアのジャズ志向の妥協がキャラヴァンの魅力ではと思う。ちなみに、キャラヴァン脱退後にキャメルに加入してたりもする。三人目はデイブ・シンクレア(key)です。初期のキャラヴァンでは彼がリードを担当していました。
 キャラヴァンは以下に紹介する4作品しか聴いていないのだけど、三人の存在、力関係の微妙さの重要性ってのは感じましたね、多分…

 

In the Land of Grey and Pink/グレイとピンクの地

1972発表の3rd

 In the Land of Grey and Pink…その名の通りジャケットがピンクとグレー(黒)だけで描かれています。けっこう購買欲をくすぐるジャケットだと思います。

 中身の方を一言でいうなら、まったりとした感じです。徹頭徹尾まったりではなくて、曲によってはテンポの速い部分もあるのだけど、たいていの曲は輪郭のぼんやりしたような感じですね。やっぱりこういうタイプの音楽ってドラッグの影響なんですかねぇ?(爆)でも、メロディーには抑揚があって、まったりではあっても飽きないし退屈しないのは凄いと思います(^_^;)まあ、まったりとした雰囲気と評したように聴き込むタイプの作品とは思わないけどリラックスして聴ける良い作品だと思います。
 また、デイブ・シンクレアのオルガンがリード楽器を務めているだけあって鍵盤楽器マニアにはたまらない作品だと思います(謎)

 聴き所は旧アナログB面に相当していた5曲目の大作「9フィートのアンダーグラウンド」ですね。10分過ぎまでは白昼夢に誘い込まれるような印象をもつものの、12分に差し掛かるころにその心地よい眠りを打ち壊すようにファストテンポでなおかつクールなジャズプレイが展開され、最後にはシリアスなヴォーカルが歌い上げるという結末がなんともニクイですね。
 ほんとに、聴いてるうちに気分はお花畑って感じです(謎)おすすめです。そこのイッてしまいそうな貴方!法を破る前にこれ聴いてみません?(核爆)特に9フィート〜はアッパー系とダウナー系の両方の効用が(謎)

注、管理者は知識として知っているだけで、ヤバイ薬などに手を出したことは一度もないです。念のために書き加えるとね…(^_^;)

Waterloo LIly/ウォータールー・リリー

1972発表の4th

 キーボードのデイブ・シンクレアが元ソフトマシーンのロバート・ワイアットの新バンドに加入するために3rd発表後に脱退。代わりにスティーブ・ミラーがキーボディストとして加入することとなった。

 3rdでのまったり感=サイケデリックっぽさを演出していたデイブが去り、重いサウンドのオルガンではなく、軽快なタッチのエレピをメインに使うスティーブが加入したことでポップで明るいことには何ら変わりがないが、全体的な印象は結果としては別物ですね。多分普通の感覚の持ち主は3rdよりもこちらの方を気に入ると思う。また、スティーブがジャズ志向ということもあり、ジャズロック度もアップしています。しかし、ポップ志向のヘイスティングもいることで、叙情性も生きています。

 このアルバムの聴き所は5曲目の組曲「The love in your eye〜長いので後略」ですね。3rdの「9フィート〜」も組曲形式の大作なのだが、こちらはストリングスも大胆に導入していて、壮大なオーケストレーションとヘイスティングのポップなセンス、他のメンバーのジャズセンスなどが上手く融合した名曲だと思います。
for girls who grow plump in the night/世ごと太る女のために

1973発表の5th

 前作で大幅なメンバーチェンジをしたキャラヴァンですが、またしても大きな変化を迎えることになるんです。ベースのリチャード・シンクレアが脱退し、キーボードもスティーブ・ミラーが抜けてデイブ・シンクレアが出戻りで復帰するんですな。ベースには新たにジョン・G・ペリーが加入し、ヴィオラを操るマルチプレイヤーのジェフリー・リチャードソンも加入しています。

 このメンバー構成になってポップ路線のヘイスティングを止めるものがいなくなり、また、ヴィオラ奏者が加入したことによりキャラヴァンはこの作品で一気にトラッドフォーク色とシンフォニック色の両要素を強く打ち出してきました。カンタヴェリー派のプログレって言われてもイマイチどんなものなのか理解できないのだけど、この作品からはなんとなく非カンタヴェリーの普通のプログレって感じはしますね。

 聴き所はラストのこれまた大作「狩りへ行こう」です。変拍子のリズムやオーケストレーションが素晴らしく、まさに狩という場景を描ききっていると思います。かっこいいです。この緊張感にあふれたサウンド、展開はプログレハードって言ってもいいんじゃないでしょうか?
Caravan&The New Symphonia

74年発表のオーケストラとの競演作

 オーケストラとの競演アルバムとしては屈指の名盤と思われる。最近リマスターされていて、その際にボーナストラックとして競演時に演奏した未収録曲を追加していて、当時のセットリストを再現しているらしい。選曲も悪くはなく、初めて買う方にも安心してお勧めできる内容だと思う。
Cunning stunts/ロッキンコンチェルト(カニングスタンツ)

75発表の7th

 一応、ここまでの作品がプログレ時代とされている。全体にポップでちょっと弛緩ぎみな雰囲気があるので、人によっては全く気に入らない可能性もある。裏を返せば、普通にポップなので一般人にはこのくらいがいいのかも?目玉とされているB面の「The dabsong concerto」は大作で20分近い曲だが、それまでキャラヴァンが発表してきた大作に比べると、かなり曲の展開が強引で構築、構成美とは程遠い内容。部分的にはかっこよい部分もあるのだけど、無理やり組曲と称して大作にしなくて、独立させた小曲にすればよいと感じた。
 A面は「No backstage pass」は好きだけど、他はキャラヴァンでなくてもこういう普通にポップな曲は聴けるよと思ってしまう。
THE BATTLE OF HASTINGS/ヘイスティングズの戦い

1995発表

 ヘイスティング主導で作成された再結成作です。CD自体は持っていなくて、図書館で借りたものを聴きました。なんか、単なるポップフォークのアルバムって感想です。緊張感のかけらもなければ、メロディーを垂れ流しているようにしか聴こえなかったですね。
 やっぱり、70年代の作品の方が感じ取れるものが多いように思えました。

 

 

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