FORMULA 3

SOGNANDO E RISOGNANDO/夢のまた夢

72年発表の3rd

 FORMULA 3の3rd「夢のまた夢」と4th「神秘なる館」は共にイタリアンロックの名盤とされている。だが、両作品のカラーはだいぶ異なっている。叙情的なのは共通だが、幻想的でハードな3rdに対して、4thは明るくポップ。全4曲中3曲が組曲と、大作主義の3rdに対して、4thは短くはないが比較的シンプル。という具合なのでどちらを気にいるかは人それぞれだと思う。私は4thの方が聴きやすいので好きだな。

LA GRADE CASA/神秘なる館

1973年発表4thにしてラストアルバム

 フォルムラ・トレはAlberto Radius(g)、Tony Cicco(dr)、Gabriele Lorenzi(key)のトリオ編成のバンドだ。イタリンロック(イタリアンプログレ)のムーブメントの立役者とも言えるルチオ・バッティスティのバックバンドを勤めていたメンバーでバッティスティ主宰のヌメロ・ウーノレーベルの代表的バンドでもある。
 神秘なる館は彼らの通算4作目のアルバムにしてラストアルバムともなっている。基本的にはポップな歌ものなのだが、キーボードがシンフォニック色を加えたり、メロディックで大仰なギターが加わることによってプログレっぽさを演出している。プログレというジャンルでは兎角、大作主義やらテクに突っ走ったりしがちなのだが、彼らの場合には身の丈のポップがベースなので、アンサンブル重視で曲もコンパクトなものが多く、大作やら複雑系の曲が苦手な人にも非常に聴きやすいと思う。ただ、ポップとは言ってもイタリアのポップなので英米のものとは完全に異質、まあ、その異質さがチャームポイントなんだけどね。カンツォーネなどを想像してもらえば分かると思うが、おおらかで明朗、情緒的なメロディーはイタリアならではもの。
 個人的にはがちがちのプログレもプログレ風味のロック(ポップ)も共に愛しているので、どちらかの路線を否定することはしないし、フォルムラ・トレのイタリアらしさも含めてお勧めしたい。
 ちなみにラディウスのギターは時に官能的、時に枯れた味わいを出していてこのギターの音色目当てで聴いても間違いではないと思う。

 

 

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