プログレッシブロックの説明
プログレッシブロックはロックにクラッシックの方法論や ジャズの方法論を取り入れた音楽だ。
ストリングスやフルート、ホーン類の使用も多く、 使用自体は他のロックでも珍しくはないがメンバーとして 抱えていた場合が多いことは特徴の一つといえる。
たいていの曲に起承転結ともたとえられる展開を持っていて、長い曲は珍しくない。中には 20分台の大作もある。
クラッシックやジャズとの融合を目指しているわけだから 腕に自信がある人たちが多かった。
当時まだ、珍しかった電子楽器であるキーボード類(シンセの開祖である、 アナログシンセのムーグシンセサイザなど)や電子楽器ではないけれどもアナログサンプリング の鍵盤楽器であるメロトロンを使用していることも特徴です。
で、重要なポイントが一つあって…上に挙げた特徴を兼ね備えていればプログレと呼ばれてました。ということは、ジャズ系プログレとクラッシク系プログレもあるし、ドイツのプログレバンドはキーボード(シンセ)がメインに据えられてテクノの祖先にもなったくらいロックでないです。結果として全てのバンドが前衛的ではあったけどスタイルそのものは千差万別なのです。ラテンの民族音楽が入ったイタリアのプログレバンド(P・F・M、バンコ、イプー)とヘヴィーでフリージャズ的な第5期キングクリムゾンは同じジャンルにいれるのをためらってしまいますからね。
また、70年代初期のイギリスでのプログレムーブメントが最もプログレの栄えていた時期です。 (もちろん今でもそのたぐいのバンドは活動してはいる)プログレッシブロックの現在での一般的な評価
プログレッシブロックは現在のロックシーンの中では最もマイナーなジャンルの うちの一つに過ぎない。しかし、ロックが市民権を得これからさらに発展しようという動きの中で 生まれなければいけなかったジャンルともいえます。
ロックはともすると、子供の為の低レベルな音楽として見られていました。 ですが、既存のポップスミュージックでなかったクラッシックや、すでに古参のジャンルとなり (今の感覚ではポップスミュージックではない)ジャズと結びついてみることでロックが 単なる程度の低い娯楽ではなく芸術性も兼ね備えているんだとアピールできたのでした。後世への影響としては電子楽器の使用がドイツの世界初のテクノバンド「クラフトワーク」 につながり、70年代中期から起こるフュージョンの台頭もプログレめいた感じがあります。
また、HM/HRバンドへの影響も大きく、プログレハードバンドを作り出す素地になりました。 オーケストラと共演したいというアーティストもプログレの影響か?(パープルも?) ちなみにアルバム全体としてオーケストラを使ったバンドは60年代中期の ムーディーブルースが初かな?今後もプログレッシブロックがメインストリームの音楽となるのは到底望みようもありませんが、 プログレムーブメントの後世のロックバンドへの影響や 当時のアーティストの考えは見るべきものがあります。
プログレッシブロックをお薦めしたい人
今まで書いてきたようにプログレッシブロックというのはどうしても他のロックとは違って 一般的という意味でのポップさがないです。もちろん、へヴィーでアグレッシブなバンドもあれば 明るく、親しみやすいノリのバンドもあります。ただ、最終的には、長くて起承転結のある曲のことを退屈 だとか、難解でわからないからいやだと思う人には堪えられないと思います。
その特徴に対して、ダイナミズムを感じるとか、展開の妙が好きとか、 他のロックでは分かり易すぎて食い足りないとかと思った人しか受け付けられないかもしれません。
そして、たまたま、私は後者の受け付けた人であり、プログレ大好きな人となることができました。受け付ける、受け付けないは一度聴いてみなければわかりません。たしかに賭けではあるけれども物はためし…あなたも聴いてみては?クラッシック好きジャズ好きの人は以外といけるかも?
修正2002/1/9