ENTROPIA/エントロピア 97年1st |
![]() そのサウンドは非常に重量感のあるもので、ジャズやファンクの要素も加わることで得体の知れない存在感を示しています。クラッシックよりジャズ的なところはドリームシアター(以下DT)との共通点と言えます。ですが、比較的作品ごとのカラーが整理・統一されているDTに比べると、詰め込み過ぎな印象があります。まあ、意欲的と見るか散漫だと見るかは人によると思います。個人的には未熟さゆえの勢いとして受け取っていて嫌いではないです。 演奏面で具体的に評価したいのはDaniel
Gildenlowでリードボーカルとツインギターの片方を担当しています。作詞・作曲も彼の手によるもので間違いなくバンドのリーダーですね。作曲センスの特異さは既に述べたので置いときますが、ボーカリスト・ギタリストとしての力量や個性もたいしたものです。 次にお勧めの曲ですが、7曲目「REVIVAL」9曲目「ToTheEnd」12曲目「NightMist」ですね。これらはアルバムの中でもアップテンポ且つメロディアスな曲で素直にかっこよい曲と言えるはずです。特に7曲目「REVIVAL」のリフのかっこよさと後半の泣きまくるギターソロにはたまらんです。 2001/12/10 |
The Perfect Element Part 1 2000年3rd |
![]() ちなみにタイトルから判るように、続きのパート2を作るらしいです。その際にはもう少しアグレッシブなのが欲しいですね。 蛇足ですが、DTのメトロ2のほぼ一年後にだされた本作を聴いて、続き物を作るという点でのDTからの影響を感じた一方で世代交替も感じました。まあ、年齢はDTのメンバーより5〜10ぐらいしか離れていないとは思います。ですが、メトロ2で感じたテクと理論しか感じられない作品作りをDTが今後も推し進める様でしたら以外と早くDTの旬は終わるのではないかと思います。その時にPAIN OF SALVATIONがシーンの頂点にいるかどうかは判らない(多分無理)にせよ、本作とDTのメトロ2の出来や方向性を比較するとDTはあぶないと思います。まあ、実際に旬が過ぎてもDTの地位が変わらない可能性も高いですけどね。現実に、使命を終えたベテランバンドがシーンに居座り続けることもざらですから(笑) 2001/12/10 |
Ramedy Lane 2002年発表の4th |
![]() 詳しく内容の解説をします。これまでの作品同様に本作もコンセプトアルバムです。テーマは「愛とセックス、危うい人間関係」だそうで舞台はハンガリーだとのことです。やはり過去の作品同様に暗い感じですが、同時に情念的で繊細さにあふれた叙情的な作風であるのも過去と同様です。ハンガリーが舞台ということで東欧系(文化的に中近東系に近い)のリズムや旋律を導入しているのは新しい試みでスパイスとしてよく機能していると思います。 演奏面ではリードG兼リードVoのダニエル・ギルデンロウのボーカリストとしての成長を感じました。バッキングコーラスを勤める他メンバーの活躍もありますが、ボーカルパートの充実振りが素晴らしいです。元々、様々な声色を駆使したシアトリカルかつドラマティックなボーカルを披露していたダニエルですが、更に声色の使い分けが巧みになり、ヴォーカリゼーションや他メンバーのバッキングコーラスの重ね方など非常に実験的で興味深いです。 2002/2/15 |